観戦情報

プロ野球開幕後のコロナ対策はどうなる?応援スタイルは?飲食は?

プロ野球が6月19日(火)から当面、無観客で開催されることになりました。無観客とはいえ、コロナウィルスで沈んだ社会を明るくするニュースで嬉しい限りです。とはいえ、やはり早くあの心躍るスタジアムで生で観戦したい!

開幕後、観客を迎えて試合を開催するとなると、スタジアムでの感染やクラスター発生を何としても防止しなくてはなりません。今回は発表された提言 日本野球機構・日本プロサッカーリーグにおける新型コロナウイルス感染症対策」を参考に、コロナに対応した応援スタイルについて考えてみたいと思います。

提言 NPB・Jリーグにおける新型コロナウィルス感染症対策 について

コロナウイルス蔓延に伴って、NPBとJリーグは連携して「新型コロナウイルス対策連絡会議」を数回に渡って開催し、コロナウイルスの感染拡大から観客、選手・監督・チームスタッフ、さらに社会全体を守るため、「専門家チーム」の意見をもとに、感染防止に関する情報や対策などを共有してきました。

5月22日に第8回会議が開かれ専門家チームによる提言 日本野球機構・日本プロサッカーリーグにおける新型コロナウイルス感染症対策 Ver.2」が発表されました。こちらは3月12日に発表された「提言」に現在の状況を踏まえ、再開後に注意すべきポイントなどが新たに盛り込まれた詳しい内容になっています。

内容としては主なものとして

  • 選手・チームに求められる感染予防対策
  • 選手・及び家族も含めたチーム関係者に感染者が疑い例が出た場合の対応
  • 選手および家族も含めたチーム関係者にPCR検査の結果、陽性反応が出た場合の対応
  • 野球・サッカー観戦の観客に対する感染予防策

などがあり、大変具体的な内容になっています。

http://npb.jp/npb/20200522_coronavirus_teigen.pdf

今回はこの中から、「野球・サッカー観戦の観客に対する感染予防策」についてお伝えします。



観客に生じる感染リスク

「提言」によると野球観戦の観客に生じる感染リスクとして以下をあげています。

  • 不特定多数の集団が集まるマスギャザリング
  • 人込みにおける不特定多数との遭遇・接触
  • 試合観戦中の濃厚接触状態

スタジアムに行くと、試合前の入場ゲートは大混雑ですし、不特定多数の人と密着することもあるし、長時間に渡って前後左右の座席の人とは濃厚接触になるので、感染リスクは高いと言わざるを得ませんね。

ちなみに現在の濃厚接触の定義は「2メートル以内の接触」から「1メートル以内かつ15分以上の接触」に変わっているそうです。

観客に対する感染予防策

「提言」では

    • 発熱、咳、倦怠感、喉の痛みなどがみられる場合には観戦を控える
    • 自分だけでなく、多くの仲間、選手を守ることの理解の徹底
    • 流行国、地域から帰国した人の立ち入り制限
    • 入場時の濃厚接触を減らすためのゾーニングの工夫
    • スタジアム入場時の体温チェック
    • スタジアム内でのマスク着用の呼びかけ
    • 応援歌合唱、鳴り物使用の応援スタイルの変更と観客同士のハイタッチ等接触の禁止

 

    をあげています。
    体調不良の時は観戦を控えるというのは当然のこととして、流行地域から帰国した人は感染を控えるなど、自分だけではなく周りの人、ひいては選手を守るためにも自分たちがすべきことへの理解を求めています。
    また、ゾーニングの工夫として、開場時間の繰り上げと、入場ゲート手前に新しく待機ゾーンを設置することによる入場時の混雑緩和や、券種による規制退場での退場ゲートの混雑解消などを提案しています。
    入場時の体温チェックはサーモメーター等を利用して、37.5度以上の人(体温が低い人は平温と比較して1度以上高い人)は入場を控えるとしています。
    やはり観戦時の感染リスクを下げるためとはいえ、応援歌の合唱や鳴り物使用の応援スタイルやハイタッチの禁止は寂しいものがありますね。



応援スタイルのリスク評価例

「提言」では応援スタイル毎にその理由を挙げながら感染リスクを✖️▲で評価していますので、こちらも見てみましょう。

感染リスク高

✖️ ジェット風船応援 飛沫感染リスク
指笛の応援
トランペット・ホイッスル等鳴り物応援
メガホンを打ち鳴らして応援(自然に歓声が大きくなる)
両手をメガホン代わりにした大声での声援、応援
集団での肩組み、飛び跳ねなど 接触感染リスク
集団で立ったり座ったりの繰り返し
ビッグフラッグ応援(旗の下で多数が密集状態)
フラッグ(手旗)応援

 

感染リスク中

応援団による声の指揮による歌唱と拍手応援(自席で手を叩き歌う程度)
応援団の太鼓リードによる声援、拍手
プレーの度の拍手や通常の声援(両手をメガホン代わりに使わない)

 

他に感染リスク要検討として「応援タオルを回す、応援タオルを横に広げて左右に振る」をあげています。

応援については、トランペットに合わせて大声で歌ったり移動したり踊ったりは出来ませんが、自分の席に座って、太鼓に合わせて手を叩いて歌うことは出来そうです。でも、トランペットのリードがないのはかなり寂しい。録音した物を流すという手もあるかも知れませんが、臨機応変な選曲も応援団の真骨頂なので、いずれにしても残念です。

それに、ホームランやサヨナラの時にじっとしていられるか、興奮せずにいられるか。かなり自制しなくてはなりませんね。



 

飲食はどうなる?

「提言」によるとスタジアム内で観客席でのビールなどの飲料販売を全面的にやめる・販売員の数を削減するなどの措置で食品や飲料販売を抑制し、一定期間はマスクを着用せずに飲酒・食事をする観客を減らす案を検討すべきとしています。また当面の間はスタジアム内の飲食を禁止としてしまう案も提示しています。

しばらくはスタジアム内でマスクを外すことを控えるよう、飲食も我慢ということでしょうか。スタジアムで食べるご飯楽しみなのですが、野球を見るためならば仕方がないですね。ずっと続くわけではないでしょうから、我慢我慢。

ファンサービスは?

ファンサービスも気になりますが、やはりファンから手渡されたペン、色紙、ボールなどでのサインを行うファンサービス、ハイタッチなどを行わないとされています。選手の皆さんの安全を守るためには、仕方がありませんね。

喫煙や換気は?

喫煙時はマスクを着用できないため、喫煙所は使用禁止としています。また、ドーム型スタジアムでは空調の出力アップなどで空気のよどみを減らす対策と屋外スタジアムでもコンコースなどの屋内スペースの換気を求めています。また入退場時の手指消毒も推奨していますので、入場ゲートや屋内コンコースには手指消毒剤が設置されることと思います。

観客から感染者が出た場合の対応

観客に感染者が出た場合に備えて、周囲に座っていた人を特定出来るような工夫をするように提言しています。

  • 感染者座席の周辺に座っていた入場者を特定するための手段の確保
  • 入場者どの席に座っていたか自分で確認できるよう半券の保管を呼びかける
  • チケットの購入者が正当な手段で第三者にチケットを譲渡した場合に、譲渡先が把握できるような管理体制を取る
  • 自由席・立見席に関してはゾーンを細分化して、プラカードなどを提示し、観客に自分の席ををスマホ等で撮影しておくよう呼びかける
  • 各球団は感染者が発生した場合、感染者は球団に連絡をすること、感染者の周囲の座席の観客には事務局から連絡をすることをHP等で周知する
  • 各球団は感染者の座席をHP等で迅速に公表し、周辺にいた観客の特定を急ぎ注意喚起する

今までと大きく違うところは、自分がどの席に座っていたのかを後から把握できるようにしておくということですね。チケットの半券を残しておいたり、座席を撮影しておいたり。そして万一感染してしまった場合は、それを球団に伝えて周りの席に座っていた人にも注意を呼びかけてもらわなくてはなりません。



まとめ

「提言」は当面は無観客試合で開幕し、再流行時には、試合延期も含めて専門家チーム・アドバイザーと検討するとしています。

また、試合に「遠征」するファンや報道陣についても、感染予防の意識と行動を、選手や球団・クラブと同じレベルで共有することを求めています。選手が遠征する時は一緒に行って応援したい!気持ちも今は抑える必要がありますね。

日本のプロ野球の応援団主導による応援は、選手毎に違う応援歌を歌ったり、チャンステーマで盛り上げたり、また相手チーム攻撃中は静かにするなど、これはもう世界に誇るべき日本文化だと私は思っています。

今まで通りには行きませんが、自分たちや選手の安全を第一に考え、必要なことは受け入れて、またいつかきっと以前と同じ熱い声援が送れる日を心待ちに、心は熱く今できる応援をしていきたいと思います。